小さな足の大きな傷跡が示した未来
人生の転機
人生の転機は、時として予期せぬ形でやってきます。
私たちの長男が医師を志すきっかけとなったのは、小学2年生の時の思いがけない出来事でした。
この出来事は、彼の人生に大きな影響を与えることになり、私たち家族にとっても忘れられない経験となりました。
大怪我の発生
ある夜、お風呂場で夫と遊んでいた長男が、誤ってガラス製のサッシの扉を蹴破ってしまいました。
瞬間、ガラスが割れ、彼の足に大きな傷ができました。一面が血だらけになり傷口からは血が流れ出し、その様子に私たちは恐怖を感じました。急いで夜間救急病院へ向かいましたが、その時はただ無事を祈るばかりでした。
セカンドオピニオンの重要性
病院での初期処置が終わった後、担当医は「スリッパを履いて学校に行っても大丈夫」と言いましたが、私の直感が何かおかしいと告げていました。
翌日、セカンドオピニオンを求めたところ、親指の腱が2本切れたままであることが判明しました。この経験を通じて、専門家の意見を複数聞くことの重要性を痛感しました。
手術の予定を立てましたが、当日になって担当医から「私の手に負えない」と告げられ、より大きな病院を紹介されました。3度目の病院で、ようやく適切な診断と治療方針が示されました。
手術と回復
医師から「腱がかなり縮んでいるので、上を切開して引っ張る必要があります。ただし、無理に引っ張ると再び切れる可能性もあります」と説明を受けたとき、私たちは大きな不安を感じました。
手術が成功するかどうか、そしてその後のリハビリがどのようになるのか、心配でいっぱいでした。
幸いにも手術は成功し、医師は手術のリスクを丁寧に説明して私たちの不安を和らげてくださいました。医師の卓越した技術力と医療チームの素晴らしさに感謝しています。
その後、4ヶ月に及ぶ入院とリハビリを経て、長男の足はほぼ元通りになりました。この期間、彼は多くのことを学び、成長することができました。
医師への憧れ
この経験を通じて、長男は自分の足を治してくれた外科医に深い感銘を受けました。
「僕も、あの先生のような医師になりたい」彼の目は輝いており、その言葉には強い意志が感じられました。大きな傷跡は残りましたが、それは同時に彼の未来への道標となったのです。
この出来事が、彼の人生における新たな目標を与えたのです。
医療の世界の厳しさ
医療の世界の厳しさと尊さ、そして医師という職業の重要性を、身をもって体験したこの出来事が、長男の人生の方向性を決定づけました。
彼は医師になることを目指し、努力を重ねる決意を固めました。そして、この決意が私たち家族の20年に及ぶ医学部への道のりの始まりとなったのです。
私たちも彼を支えるため、共に成長していくことを誓いました。
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